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👥 人事・労務

試用期間中の解雇は可能?トラブルを防ぐ雇用契約の鉄則

2026-03-05
⚖️ 人事・労務|労働基準法 第20条・21条・22条

試用期間中の解雇は可能?
トラブルを防ぐ雇用契約の鉄則

予告不要の
特例期間(入社後)
14 日以内のみ
14日超の場合
解雇予告期間
30 日前または予告手当
解雇に必要な
法的要件
3 つの条件を満たすこと

結論:試用期間中の解雇は「可能」ですが、「自由にできる」ではありません。
労働基準法(第20条・第21条)と最高裁判例(三菱樹脂事件)が定める3条件を満たさなければ、不当解雇として無効・損害賠償リスクが生じます。

解雇が有効になる3条件|法的根拠と実務

厚生労働省「確かめよう労働条件」裁判例ページが示す判断基準に基づき整理します。

条件① 客観的合理的な理由

採用時に知りえなかった事実の発覚

履歴書の経歴詐称、採用後に発覚した重大な規律違反、十分な指導を行っても改善が見込めない能力・勤務態度の問題が該当。
「なんとなく社風に合わない」「期待より少し劣る」は合理的理由にならないと複数の裁判例が示しています。

条件② 社会通念上の相当性

指導記録と改善機会の付与が必須

指導なしで結果だけを見て解雇した場合、「使用者の指導不足」として無効判断が多数。
日時・内容・担当者を記録した指導ログが、万一の紛争時の唯一の証拠になります。

条件③ 解雇予告の手続き

14日超なら「30日前予告 or 手当」が義務

労働基準法第21条4号により、入社後14日以内は解雇予告不要。
しかし14日を1日でも超えると、第20条が適用され30日前予告または平均賃金30日分の解雇予告手当の支払いが法的義務となります。

⚠️ 絶対禁止の解雇

業務上のケガ・産前産後休業中は解雇禁止

試用期間中でも、労働基準法第19条により業務上の傷病による休業期間+その後30日間は解雇できません。違反した場合は刑事罰(6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金)の対象です。


実務フロー|初めて雇う前にやること

1 雇用契約書・就業規則に「試用期間の解雇事由」を明記する。曖昧な文言は無効リスク大。試用期間の長さも合理的範囲(通常3〜6ヶ月)で設定。
2 入社初日から指導記録を開始。業務指示・改善指導・フィードバックの日付・内容・担当者を書面で残す。口頭指導は証拠にならない。
3 解雇判断前に社労士・弁護士に相談。労働基準法第22条により、退職者から請求があれば解雇理由証明書の交付義務あり。根拠が薄いと紛争直行。

📌 まとめ|試用期間の解雇「鉄則3か条」

①理由は「客観的・合理的」でなければ不当解雇(最高裁・三菱樹脂事件の法理)
②指導記録なしの解雇は「使用者の落ち度」と判断され無効になりやすい
③入社後14日超は必ず30日前予告 or 解雇予告手当(労働基準法第20条)

試用期間は「自由に切れる期間」ではなく、「企業が誠実に見極める期間」です。
契約書・指導記録・手続きの三点を整えることがトラブルゼロの絶対条件です。

⚠️ 本記事は労働基準法(厚生労働省)の条文および厚生労働省「確かめよう労働条件」裁判例ページをもとに執筆しています。個別の解雇判断には事実関係が大きく影響します。実際の対応は必ず社会保険労務士または弁護士にご相談ください。

【出典・参照】
・厚生労働省「確かめよう労働条件」試用期間の裁判例:https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/hanrei/shogu/shiyou.html
・厚生労働省「労働基準法」第19条・20条・21条・22条(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
・厚生労働省 労働局 個別労働紛争解決制度 紛争事例(試用期間中の解雇):https://www.mhlw.go.jp/churoi/assen/dl/jirei09.pdf

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